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ミニバラの剪定について

ミニバラとは

ミニバラは花が小輪から中輪で、株の背丈が他のバラと比べて小さいです。矮性であるとも言えます。基本的に木立ち性のミニバラは、四季咲き性を持っていることが多いです。つる性のミニバラは一季咲きや返り咲きの性質を持ちます。

ミニバラの苗は挿し木苗であることが多いです。一つの鉢に複数本の株があります。また土はピートモスであることが多いです。これはピートモスは軽いので運送費が小さくなるからです。

鉢増し

鉢増しが必要な理由は「ミニバラを生育しやすくするため」と「土を改善するため」の2つがあります。

もらったばかりのミニバラは4号から5号鉢であることが多いです。最初のうちは花を楽しむと良いでしょう。ミニバラの花がある程度枯れたら花がらを切って、鉢増しをするのが良いです。6〜7号鉢あたりが良いと思います。そうすると株が大きくなります。

また最初に売られているミニバラの土は、ピートモスがメインです。なぜならば、ピートモスは非常に軽くて運送コストが安くなるからです。あとピートモスは、水はけも良いので、水やりの調整もコントロールしやすいメリットがあります。したがって、普通にミニバラを育てるときはピートモスオンリーの土はオススメできません。なぜなら水はけが良くてすぐに乾いてしまうので、細かい管理を要求されるからです。

ちなみに水はけが良いことが、裏目に出る局面は多々あります。ライフスタイルによって調整する方が良い場合もあります。たとえば自由な時間がたくさんあり、なおかつ水やりをすることが大好きならば、水はけの良い土が良いです。しかし忙しくてこまめに管理するのが容易でない場合は、水持ちの良い土が最適です。バラは非常に丈夫な植物です。よほどひどい土でなければ、大丈夫です。

切り戻し(とくに春と夏)

鉢増しをするとバラはどんどん大きくなります。しかし花首だけを切って、そのまま株を大きくすると、まずいことになります。なぜならバラはどんどん背が高くなり、形が崩れるからです。

加えて暑くなり始めると、バラ株における蒸れの問題がやってきます。風通しが悪くなって、うどんこ病などの病気がかかりやすくなるのです。そのためにも切り戻しは不可欠です。思い切って切り戻しをすることが肝要です。時期としては春と夏が該当します。秋はそれほどバラが大きくならないので、軽い剪定程度で問題ないです。

それではどのように切り戻しをしたら良いのでしょうか。私の意見としては思い切って切って良いと思います。乱暴なことを言うと「迷ったら半分くらい切れ」でも悪い考えではないと思っています。

やれ五枚葉、やれ三枚葉、などを気にしすぎると、結局は何もできないまま終わってしまう公算大です。やらないのは最もまずいです。

大丈夫!バラは強靭な木です。五枚葉の上は確かに充実した芽が出やすいですが、他の葉の上は絶対に駄目かと言うとそうではありません。枝や葉が坊主の状態でさえ、新芽が出ることだってあるんですよ。そのくらい再生力が強いのです。

バテているミニバラ

バテ気味の苗です。7月くらいです。これは切り戻しします。

切り戻したバラ

このくらい刈り込んでも平気です。しばらくすると、新芽が出ます。

切り戻した葉

切り戻した葉っぱや花です。かなりたくさん出ました。

私は細い枝で充実していたグリーンアイスを持っていて、冬を越させました。そして2,019年の春になったときに、グリーンアイスを見たらなんと枝が殆どなかったのです。丸坊主の状態でした。これには私もびっくりしました。バラがここからどのように再生していくかを観察しようと思いました。そうしたら8月現在では枝がたくさん出てくれて、花も咲いています。

株分けについて

次は株分けについて話します。切り戻しだけで終わっているサイトや動画は多いですが、それだけであると一時しのぎで終わってしまいます。しかし切り花感覚でミニバラを育てるなら、切り戻しだけで終わらせる道もあります。本当にこの品種が好きでもっと育てたいと思うならば、株分けについて知ったほうが良いです。

通常ミニバラの苗は、挿し木苗であることが多いです。複数の枝を挿し木して育苗し、店頭に並びます。しかしミニバラというのは非常に強い植物です。一年くらいならともかく、そのまま数本立ちの状態で育てると、ミニバラ同士の熾烈な生存競争が始まります。下手すると、共倒れしてしまい、全滅する恐れもあります。株分けとは、この場合一つの鉢に対して、ミニバラ一株を植えることです。写真のように、一本立ちにするのです。いわゆる単植です。

株分け

株分けの時期としては、早春が良いと思います。根っこはなるべく切らないように努力するべきですが、多少の根が切れる分には問題ありません。なんでかというと、ミニバラは競争をするほど根張りする植物だからです。ましては春です。これから成長するのです。くり返し言います。バラは強靭な木です。

ちなみに株分けの段階で、弱々しい株は捨てるのも一手です。全部育てようと思うのは、よほどそのミニバラに思い入れがなければ到底不可能なことです。

成長が遅い品種もあるので、株分けは急ぎすぎないで、鉢増しで様子を見る手もあります。鉢増した場合、函館なら一冬くらいはそのままでも大丈夫であると考えています。